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読書記録です。
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2010.06.21 Mon
七人の使者七人の使者
(1990/06)
ディーノ ブッツァーティ

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ディーノ・ブッツァーティー(1906~1972)はイタリアの作家。

カフカ的な作風の作家と言われているらしい――ということで、短編集の『七人の使者』を読んでみた。

『七人の使者』には、短い物語が16編収められている。
私が読んだ印象では、カフカと言うより『世にも奇妙な物語』だ。
「奇想の書」と呼ばれているような本はだいだい好みなのだが、『七人の使者』のなかのいくつの作品はとても後味が悪かった。

特に『Lで始まるもの』では、主人公の愚かさより、物事に対するブッツァーティーの認識の浅さが気になった。
ある疾病を人生の懲罰として描くというのは、どうなんだろうか。

私は、ジャーナリストや作家は常に弱者の視点を持つべきだと思っている。

『七人の使者』のなかには面白い発想の物語りもあったが、「面白から良し」とは思わない。

作家の視点の在りようを考えさせられた一冊だった。

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2010.05.06 Thu
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)チャイルド44 上巻 (新潮文庫)
(2008/08/28)
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「このミステリーがすごい!2009年」で一位になった作品。
スターリン統治下のソビエト連邦が舞台になっている。

1933年のウクライナ。飢餓が蔓延する寒村で、幼い兄弟が猫を追って森に分け入った。食料として捕獲するためだった。
ところが、食料として森で捕獲されたのは、兄弟の兄のほうだった。

それから20年後。
国家保安省に勤務するレオは、列車にはねられて死んだとみらえる子どもの両親を説得していた。
子どもは事故死ではなく殺されたのだと両親は訴えたが、レオは耳をかさず、事故死だと言い含めた。
この社会に犯罪はない――という国家のタテマエに随従することが国に繁栄をもたらすと、レオは信じていた。
しかしレオが事故死として処理した子どもの死は、連続殺人事件の一環だったのだ。

主人公のレオはスターリン下のソビエト連邦国家保安省というなんともおぞましい機関に身を置きながら、国家の方針を少しも疑うことなく盲信し、任務を遂行していく。
災難が自分の身に振りかかって、初めてレオは物事を自分の目で見て、自分の頭で考えるようになる。

冒頭の、飢餓の村でのショッキングな出来事が、ミステリーのベースになっている。
言論が統制された国の国民ならでのは自己保身が事件を複雑にし、小説に独特の緊迫感生んでいる。
著者はイギリス人とスウェーデン人のハーフで1979年生まれ。
ロシアで実際に起きた連続レイプ殺人事件に着想を得たという。

「チャイルド44」執筆当時、著者ががまだ20代だったことを考えると、レオとライーサの誤解の上に成り立ってる夫婦関係をはじめ、さまざまな人間の関係性を捉える巧みさにも驚く。
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