読書記録です。
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2008.06.27 Fri
2001年2月25日発行 NHK出版 2300円

ここ数年読んだ本のなかでもっとも衝撃的な内容のフィクションでした。
会話が各個で括られていない独特の文体で書かれていますが、そんなことは全く気にならず、ページをめくる手が止まりませんでした。
ジョゼ・サラマーゴはポルトガル人作家で、1998年にノーベル文学賞を受賞しています。

ここ数年読んだ本のなかでもっとも衝撃的な内容のフィクションでした。
会話が各個で括られていない独特の文体で書かれていますが、そんなことは全く気にならず、ページをめくる手が止まりませんでした。
ジョゼ・サラマーゴはポルトガル人作家で、1998年にノーベル文学賞を受賞しています。
車を運転していた男性が突然、失明した。
ふつうの失明のように闇に包まれるのではなく、男性の視界は輝くような白一色でさえぎられた。この男性に近づいた人々も次々に失明していった。政府は失明した人々を隔離することした。失明した人々は、今は使われていない精神病院に強制的に収容され、そこで盲人だけの生活を送ることになった。ところが、その中で、眼科医の妻だけが失明していなかった。盲人になり、精神病院に送られてくる人は増え続け、精神病院のなかは武器を持った暴徒に支配されてしまう。
――誰でも知っているように、悪事はつねに人がもっとも簡単に出来ることだ――
本の中の文章ですが、極限状態に追い込まれた人々が、人間としてのプライドを失っていく様子が克明に描かれています。
本を読みながら映画を観ているようだと思ったところ、実際に映画化もされていて日本では2008年11月公開だそうです。
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