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読書記録です。
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2008.10.21 Tue
1997年2月10日発行  文芸春秋 2200円
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中篇が4編収録されています。
どれも、ところどころでクスッっという小さな笑いを誘いつつ、その背後にはひっそりとした悲哀が漂っています。
小説としてまとまっていると思うのは「会計士」ですが、私が好きなのは「傷心の町」と「パートルシャーグとセレレム」です。
この4篇の中篇の共通点は「戸惑い」です。それぞれにみんな、戸惑っています。
「パートルシャーグとセレレム」は数学が得意な変わり者の兄を持つ弟の、「傷心の町」は中年男性の、それぞれの人生の戸惑いを綴った物語です。
「会計士」は出世した友人に、「宮殿泥棒」は策略に戸惑っている人の姿が、淡いユーモアに包まれて描き出されています。

気持ちのなかの当人でもよくわからないような漠然とした部分が、上手く物語になっています。
4篇のどの立場も経験したことはありませんが、主人公が抱く感情はどれも馴染のあるものでした。

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