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読書記録です。
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2008.03.29 Sat
2007年3月15日発行 毎日新聞社 1500円



新聞に短い文章が掲載されていました。
そこには、通りがかりに出合った少年達の様子が綴られていました。数人の小学生の男の子が一人の少年の顔を樹に押し付けていて、そこを通りがかった著者に気がつくと、苛めていた相手から急いで手を離し、何事もなかったような明るい態度で、「こんにちは」と挨拶したという内容でした。とても嫌な光景だと思いました。それと同時に、こういうことは日本中どこででも行われているような気がしました。見えないところで寄って集って悪いことしていながら、表面を取り繕うというのは、大人の社会がそのまま子ども達の生活のなかに反映されているのだ、と思いました。
辺見庸が書いた新聞のその短い文章は、私がそこから読み取った以上に重要な何かを孕んでいるようで、ずっと頭から離れませんでした。
辺見庸の本を読んでみようと思いました。
『記憶と沈黙』は冒頭の「みなともっと別れよ。みなともっと離れよ。全くの単独者として、弧絶のなかで、私だけの理由と責任で、自問し、嘲り、叫び、祈り、狂い、殺意を向けるのでなければならない」という部分から、言葉が自分に向けて発せらているのを感じました。
ものすごく大局的な言い方ですが、私達は一人で物ごとを考え自分だけの責任で発言し、世のなかの明かるい部分の下で行われていることに注意深く目を向けていかなければならない、ということを辺見庸はこの本のなかで書いています。
自分のなかの大きく洞になった部分に、辺見庸の言葉は真っ直ぐに浸透してゆく感じがします。

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2008.03.28 Fri
2006年11月25日発行  文芸春秋 1762円



長崎を舞台に、原爆とキリスト教に関わりのある人間を描いた短編集です。そう聞くと重苦しい内容を想像されると思いますが、それほど暗く深刻な内容ではないです。著者が実際に戦争を体験した年代ではないからなのかも知れませんが、全体にさらりとした雰囲気です。
「石」
軽い知能障害がある山森修は、ホテルのロビーで幼馴染の九ちゃんを待っていた。ホテルの従業員が修に不審そうに声をかけたとき、ひとりの若い女性が助け舟を出してくれた。女性は雑誌記者で、修の幼馴染である九谷議員について取材している最中だった。いっぺんに恋に堕ちた修は、その女性に九ちゃんとの思い出を語り始めた。

2008.03.25 Tue
2008年3月15日発行 文芸春秋 1400円


珠玉の、と言うにふさわしい短編集です。
12編の物語が入っていて、12編のどの物語にも心が揺さぶられます。
本を読んだ日が特に感傷的な気分だったというわけでもないのに、最初の「めぐりびな」がグッと胸に迫って、「せいくらべ」では号泣しました。ひとつひとつの物話に人が誰かの心に触れたときの出来事が収まっていて、読み手とも繋がるのをじっと待っている、そんな本です。
まだ重松清を読んだことのない方は、この一冊をとりあえず読んで欲しいし、本はほとんど図書館から借りている私が、この本は買おうかな、と思うくらいのお奨めです。
「めぐりびな」
娘の初節句に義母から七段飾りのりっぱなお雛様を送られた幸子は、保証書に添えれていた申し込み用紙を見て愕然とした。そこには、新しいお雛様を購入したら古いお雛様は供養しなければならない、というお雛様についての風習が記載されていた。今、幸子はサイドボードの上に古いお雛様を飾っていた。幸子の父は20年以上も前に亡くなり、それ以来女手ひとつで幸子を育ててくれた母も、二年前に蜘蛛膜下出血で他界していた。サイドボードの上に飾ったのは、その母が幼い幸子のために買ってくれたお雛様だった。
「霧を往け」
フリーライターの私は自分でも納得できる理由が見つからないまま、ニュースで死を知った川村健一という男性の郷里を訪ね墓参りをしようと思い立った。44歳の自分と同い歳の川村健一は、昼間から駅のホームで酒を飲んで酔っぱらい、ホームから転落し電車に轢かれて死亡した。それがニュースとして大きく扱われたのは、川村健一を助けようとした青年がいて、彼もに電車に轢かれ死亡したためだった。私は、同じように高校創業後、故郷を離れ、東京で暮し、哀れな最期を遂げた川村健一に自分自身を重ねていた。墓の場所を聞くため訪れた川村健一の実家で、「お世話になった友人です」と小さな嘘をひとつ吐いた私は座敷に通され、川村健一の両親の前で嘘を重ねていった。

2008.03.25 Tue
2007年12月10日発行  水声社  2500円



人生の折り返し地点に立った女性が、これからどう生きていこうか思案し、自分と向き合ったひと夏の物語です。
四人の子どもの母である45歳のケイト・ブラウンは三年前の冬、当時16歳の一番末の息子から「ぼくのことはほっといて。お母さんのせいで息が詰まりそうだ」と食ってかかられました。ケイトは子どもに対して支配的な母親ではありませんでした。家族の面倒をみ、心を配り、長いあいだ尽くしてきました。子どもたちはそんな母親のことを更年期の女性として扱うようになり、ケイト自身は自分のことを、健康な鳥につつき殺されそうになっている傷ついた鳥か、残忍な子ども達に苛められている動物のようだと、思うようになっていました。ケイトが45歳のその夏は、夫にも子どもそれどれに夏の予定がありました。夫の友人から通訳の仕事を頼まれたケイトは夏のあいだ自宅を貸すことを決め、結婚して以来始めてミセス・ブラウンとしてではなくケイト・ブラウンとしてひとりで世のなかに足を踏み出しました。

ずっしりと中身の詰まった、とても読み応えのある物語でした。

2008.03.23 Sun
2008年2月14日発行  講談社 1500円



昭和30,40年ころに撮影されたと思われる変わった写真に、町田康がテキトーなお話を勝手にくっつけた気軽に読める一冊です。テキトーなところでページをめくって見ると、これはなんだろうな、という写真が出てきます。そしてその付近に写真が写されたときの状況がもっともらしく説明されています。著者によると、表紙の写真は前足だけに人間の手が付いているヤギで、このヤギはなにが大変かというと、四つ足で歩く度に手が(というか足が)汚れるので、頻繁に手を洗わなければならず、それが非常に面倒なんだそうです。吹き出したり、「それはない」と突っ込んだりと声をもらす可能性が高い一冊なので、公共の乗り物で読むのは止めたほうがいいかもしれません。
2008.03.15 Sat
2008年2月28日発光 朝日新聞社 1500円



三日間だけ、という期限付きで猫が借りられるペットショップで猫を借りてゆく客のそれぞれの人生を描いた連作短編集です。
忙しさを表す言葉に「猫の手も借りたい」という表現がありますが、この本のなかで猫を借りるのは、一人で、あるいは夫婦で、ときには家族全員でも背負うのにはすこし荷が勝ちすぎる事態に遭遇した人々です。ペットショップを訪れた彼らは、助けを求めるかのように猫を借りて行きます。
印象に残ったのは「我が家の夢のブランケット・キャット」です。リストラされ、家を売ることになった父が、以前から猫が飼いたいと言っていた子どもたちのために最後の思い出を残してやりたいと、ペットショップから猫を借りました。小学生の息子は喜んだものの、中二の長女美雪は父への不満から猫に目をくれようともしません。苛立った美雪は、猫が安眠できるようにとペットショップの店長が猫と一緒に寄こした毛布を捨ててしまいました。


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