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読書記録です。
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2008.05.28 Wed
2008年2月20日発行  双葉社 1600円



3人の40代女性が高校時代に戻って、人生をやり直すタイムスリップ小説です。
面白かったです。

同じ高校に通っていた専業主婦の香山知子、独身でキャリアウーマンの黒川薫、同じく未婚でアルバイトを掛け持ちしながら暮らしている赤坂晴美の3人はデパートの物産展で、何十年ぶりかで顔をあわせました。
デパートを出てそこから程近い「遠来の客」というレストランで食事をすることにした3人は、それぞれ現在の自分の生活に不満を感じていました。高校時代にもどってやり直したい、と香山知子が口にし、黒川薫と赤坂晴美がそのことについて思いを巡らせていると、店員が「追加のご注文は『高校3年生でよろしいですか?」と、声をかけてきました。
「とりあえず、その『高校3年生』とやら、いってみよう」と、酔った赤坂晴美が声をあげると、店員が壁にかかっていた抽象画をはずしました。店員が絵の後ろの壁に埋め込まれた石を操作するのを見ていた3人は、気がつくと高校の教室に戻っていました。
40代の気持ちのまま30年前の自分に戻った3人は協力しあって、前回とは別の人生を歩みはじめます。

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2008.05.28 Wed
2008年1月31日発行  ソニー・マガジンズ  2200円


ひとりの女性の子ども時代から30代までの、ところどころの日々を切り取った連作の短編小説です。主人公ソフィーと家族、女友達、恋人との関係をウィットにとんだ会話と文章で描いています。
翻訳家の力なのか、もとの元の文章がそうなのかはわかりませんが、翻訳本と感じさせないくらい読みやすいです。

冒頭はソフィーがヘブライ語を習いに行かされる子どものころのお話で、ユダヤ教に馴染みがないためあまり面白くなかったんですが、大人になったソフィーが男性と付き合うようになってからは、がぜん面白くなりました。恋する気持ちに国境はないですね。ぱっとしない大学を卒業したソフィーはニューヨークで仕事をみつけ、さまざまなタイプの男性と出会い、恋に落ちます。
自分にぴったり合った男性とは、なかなかめぐり合えないソフィーですが、最期には好きなことをしながら暮らしている今の自分の生き方に満足感を覚えます。

年下の恋人セスとあるパーティーに出かけたソフィーは、「もう帰りたいの合図をきめておいたほうがいいかも」と提案し、二人は手をぎゅぎゅぎゅと三回握る合図を決めます。パーティー会場に着いたとたんソフィーがセスの手を三回握ると、セスが4回握り返しました。「4回って、どういう意味?」と訊ねたソフィーにセスは「『僕・も・愛してる』って意味」と答えました。
ニューヨークに住んで、恋をしている気分になります。
2008.05.27 Tue
2008年4月25日発行  光文社  1600円

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著者の大学時代の日々を綴った自伝ふうの短編集です。

重松清の小説には高校生ぐらいまでの子どもと、中年以降の人物が主人公としてよく登場しますが、その中間の一般に若者と呼ばれる世代はあまり登場しません。この本を読みながら、重松さんはそういう年代の人物を描くのが、苦手なのかもしれないと思いました。自分自身のことを書くのは難しいんだろうなあ、とも思いました。

面白いと思ったのは、「東上線ターボ」と題された一編。
重松氏と思われる「僕」の友人である梶本のもとに、高校時代の後輩の女の子から「受験の下見に上京するので案内してほしい」と連絡があった。喜び勇んで出かけた梶本だったが、卓球部の後輩で日体大志望の女の子は上下ジャージという姿で上野駅のホームに降り立った。東京のデートコース巡りは喜ばなかった彼女だったが、最期に行った卓球場で先輩をコテンパンにやっつけると、嬉々として帰郷して行った。

この後輩の女の子が好きですw

「人生で大事なことはホイチョイに教わった」という一編は、辛い立場にある人物に向ける重松さんの非常にきびしい視線が、私はとても気になりました。

2008.05.26 Mon
2008年2月25日発行 NHK出版 2500円

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1964年から1989年までの、アメリカのある家族を描いた物語です。

1964年の冬、医師のデビットの妻ノラは双子を出産しました。自らの手で赤ん坊をとりあげたデビットは、双子のひとりがダウン症だとわかると、その赤ん坊を施設に置いてくるようにと、そばにいた看護婦のキャサリンに渡しました。車に赤ん坊を乗せ施設に向かったキャサリンですが、施設の環境の悪さと応対に出た看護婦の冷淡な態度に赤ん坊をそこに置いてくる気にはなれず、連れ帰り自分で育てようと決心しました。一方、デビットは妻に双子のひとりは死産だったと告げました。

続きが気になるサスペンスタッチのところもあり、子を思う親の気持ちにほろっとさせられる部分もあり、という内容の充実した小説で面白く読みました。
2008.05.20 Tue
2006年7月30日発行 毎日新聞社



20年以上前のタイ・カンボジアの国境付近で、辺見庸は「悲惨」とか「酸鼻」という言葉では言い表せないような光景を目の当たりにし、佇んでいました。
自分達報道陣が目に見えない線を引き「見る側」に身を置いていることを感じつつ、白人のシスターたちがやせ細った難民たちや放置されたままになっている屍を黙々と運んでいる様子を、辺見は報道記者として他国の記者とともに眺めていました。
そんな自分について著者は、
「ソマリアで飢え死にする少年や少女を見ました。たくさんの人が死んでいる。でも、私にはなにもできない。なにもしない。なにもしようとしない。ただ、突っ立てって見ているだけ。そして空調のきいたホテルに引き帰すと、パソコンに必死で原稿を打ち込んでいる自分がいる。危険を冒してここまで来たのだぞ、という心持もどこかにあったのかもしれません。いい調子で原稿を書く。(中略)読んだ人は感動してくれる。本になると売れる。とてつもなく、恥ずかしくなりました」と、話しています。
「我々は勝手に誰かから、あるいは自分で領域設定をれてしまっている。われわれのそれぞれの『固体知』によってではなく、『メディア知』のみを絶えず食わされて、権力と資本と市場に都合のよいテーマだけを日々、投げあたえられ、もっぱらその枠内で発想し、喜び悲しみ反発するように導かれている。もう、そろそろ、それを拒んでもいいのではないか。まず、せめて自分の内面の境界線をなくすこと。境界線をあえて踏み越えていくこと」という箇所をはじめ、いたるところで共感し納得し、目が開かれたように感じました。おそらく今後も何度も、この本を開くだろうと思います。
そして、その度に、新たな何かに気づかされる本だと思います。
2008.05.18 Sun
2008年2月29日発行 河出書房新社  5000円


テレビで松井冬子を見て興味を持ちました。
松井冬子は芸大の日本画専攻で女性初の博士号取得者で、エキセントッリックな感じがする美人です。
画集を見ると、人体のバランスの悪さが多少気になるものの、どの作品からも絵を描くに至るまでの松井冬子の深い苦悩が感じられ、惹かれます。matu.jpg

2008.05.17 Sat
2005年2月20日発行  邑書林  1300円


短歌は詳しくないんですが、歌集を読むのは好きです。
そのきっかけになったのが、この本にも掲載されている、
窓辺にはくちづけのとき外したる眼鏡がありて透ける夏空
という短歌でした。そのシーンがはっきりと目に見えるように頭に浮んできました。
吉川宏志の歌は、恋愛を描いたものが特に冴えていると思います。
眼をつぶるだけでは寝顔にならなくて海へかたむく砂にかがやき
カレンダーの隅24/31 分母の日に逢う約束がある
花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった
というような素敵な歌がたくさん載っています。
短い言葉で、鮮烈なイメージを伝える才能はすごいと思います。
2008.05.17 Sat
2001年6月15日発行  白水社  1600円



戯曲ですが、面白く読みました。
体調を崩して病院を訪れた主人公のビビアンは、思いっきりストレートに「あなたは癌です」と、宣告されました。
入院することになり癌の治療が始まると、優秀な大学教授だったビビアンのプライドは激しい打撃を受けざる負えなくなってしまいます。末期癌の患者を描いた作品ですが、タイトルどおりウィットにとんだ内容で、あちこちで笑いを誘います。
見るからに最悪な状態のときにさえ「調子はいかがですか?」と声をかけてくる病院の職員のことをを、ビビアンは、「きっと私が死んだときにも、訊かれるでしょう。答えてあげらないのは残念ですけど」と思います。助手を引き連れた教授に、自分の疾患を教材にされ、「かつては私が、教えていました。でも、今では私を、教えているんです」と、観客に訴えたりします。
どんな状況になっても笑えるのが、ウィットなのかなあ。
2008.05.17 Sat
2008年3月発行   理論社    1500円



年子の兄弟が主人公の青春小説です。瀬尾まいこらしい好感の持てる兄弟が進路に悩む小説なんですが、兄弟があまりに爽やかなので、現実感が乏しいです。
弟のほうは、勉強は出来ないものの学校の行事には積極的に取り組む少年で、『幸福な食卓』に登場する中学生の少年と同じタイプなので、瀬尾まいこという人は、教師にとって都合の良いこういう生徒が好きなんだ、と思ってしまいます。
学校には、いじめをはじめ、凝縮された社会の縮図があります。様々な家庭の子が集まっている場です。目の前で起きている問題も、教師がそこに目を向けなければ、無いものにされてしまいます。
教師であり、小説家でもあるなら、なおさら、生徒のうわべだけでは無く、表層の下に隠れた部分を見ようとして欲しいです。現役の教師だから書ける、という小説を書いて欲しいし、学校に居場所を見つけられない生徒にこそ、目を向けて欲しいなあ、と思います。


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