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読書記録です。
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2009.05.25 Mon
平成20年11月30日発行  角川書店  1800円
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精神科医伊良部シリーズとは趣を異にした重量感のあるクライムノベルです。
格差社会という言葉を実感として感ることも多くなった昨今ですが、オリンピックが開催された昭和39年の日本には、今とは比較にならないほど大きな社会格差があったようです。
著者は本書のなかに東京の裕福な家庭で生まれ育った須賀忠と、秋田の貧農出身の島崎国男という対照的な二人の青年を登場させ、当時の日本の格差を解り易く浮き彫りにしています。
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昭和39年8月22日、警察幹部の屋敷にダイナマイトが仕掛けられ、小火騒ぎが起きた。
警視庁には草加次郎と名乗る人物から「オリンピックのカイサイをボウガイします」という脅迫状が送られてきた。
8月26日にも同じ人物から封書が届き、中野の警察学校宿舎の内部が爆破された。
脅迫文に使われた切り抜き文字が「無線と科学」という雑誌の3月号と判明し、警察がローラー作戦を敷くと、島崎国男という東大大学院生の名前が浮上してきた。
その島崎国男は、死んだ兄が働いていた建設現場で、慣れない重労働に汗を流していた。
9月に入ると、今度は建設中のモノレールの橋脚が爆破された。
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読後、一番印象に残ったのは、オリンピックの開催に間に合うようにと建設現場で酷使されていた出稼ぎ労働者たちの様子でした。
いったいオリンピックが決まってから、東京でどれだけの人夫が死んだのか。ビルの建設現場で、橋や道路の工事で次々と犠牲者を出していった。新幹線の工事を入れれば数百人に上るだろう。
それは東京を近代都市として取り繕うための地方が差し出した生贄だ。
それならいっそのこと、オリンピックから身代白金を奪ってやろう、と考える主人公を生み出した奥田英朗に、私は「サウスバウンド」を読んで感じたような反骨精神を、再び感じました。
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2009.05.24 Sun
1997年5月3発行  読売新聞社   1500円


以前、「光クラブ」事件を取り上げたテレビ番組を見ました。
「光クラブ」は戦後まもなく東大生山崎晃嗣らが始めた闇金融です。
資金繰りに失敗し、天才と謳われた山崎晃嗣が青酸カリによる服毒自殺を遂げ終焉を迎えたというショッキングな事件でした。

『白昼の死角』は、その「光クラブ」をモデルにした「太陽クラブ」の残党鶴岡七郎と高木彬光が箱根の温泉で知り合ったところから始まります。
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東大生法学部二年の隅田光一は教授陣から元首相若槻礼次郎以来の天才と折り紙を付けられ、将来を嘱望されている学生だった。
その隅田が「20万で20億の金を作る方法がある」と、学友の鶴岡七郎、木島良助、九鬼善司を誘い、金融業「光クラブ」を発足させたのは昭和23年1月のことだった。
「太陽クラブ」は、現役の東大生が経営しているという事実が客の信頼を呼び、その年の暮れには「東都金融」という株式会社を設立する躍進ぶりだった。
しかし、鶴岡七郎は、カリスマ経営者隅田の欠点が次第に目につくようになり、会社の将来に不安を感じ始めた。
翌昭和24年、七郎の懸念は現実のものとなり、社長の隅田光一と副社長の木島良助が詐欺と物価統制令違反の容疑で逮捕された。
詐欺罪の窮地から二人を救うために七郎は株券の引換証を利用した詐欺の計画を立てた。詐欺は成功し隅田と木島は釈放された。しかし、その半年後に隅田は焼身自殺。「太陽クラブ」は幕を閉じた。
職を失った七郎は、企業を相手にした新たな詐欺の計画を立て始めた。
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この小説が最初に出版されたのは1960年ですが、まったく古さを感じませんでした。鶴岡七郎が詐欺を実行していくその手口の鮮やかさに、ぐいぐい引き込まれて読みました。
1920年生まれの高木彬光は、小説のなかで犯罪の手口だけではなく、敗戦によりモラルを喪失した人々の心の在りようにも随所で触れています。
混沌とした時代のなかで指針を見失い犯罪に手を染めていった当時の若者の気持ちを、その時代を生きたことがない私も追随しながら読むことが出来ました。

敗戦により戦後の日本人の心に焼きついた「勝てば官軍」という思想や、若者の刹那的な生き方は、このときから連綿と続いて現在に至っているのではないか、と思いました。
2009.05.16 Sat
2001年4月25日発行  彩流社  上2500円 下2800円

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悪女に標的にされた三人の女性の物語です。
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レバノンで起きたテロに巻き込まれてズィーニアが亡くなったと知ったトニー、カリス、ロズは、彼女の追悼式に出かけた。
かつて四人は同じ大学に在籍し、トニー、カリス、ロズの三人は同じ女子寮に住んでいた。
ズィーニアに手酷い痛手を負わされて、結束を結んだ三人だった。
ズィーニアはトニー、カリス、ロズのそれぞれに取り入り、恋人や夫を奪い去ったのだ。
追悼式の後も定期的に顔を会わせていた三人の前に、死んだはずのズィーニアが姿を表した。
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ズィーニアの悪女ぶりが凄いです。
こんな女性とは絶対に知り合いになりたくない。
死んだと思っていたのに生きているところなんかは映画の「エイリアン」のようで怖いです。
2009.05.15 Fri
1997年7月30日発行  新潮社    2400円 
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表紙のイラストとタイトルとからは想像がつきませんが、ラブ・ストーリーです。
ラブ・ストーリーだけど甘ったるくないお話で、私は好きです。
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人間にあまり興味がない図書館司書のペギーは、図書館にやってきた背の高い少年ジェイムズのどこかバランスの悪いところに惹かれ、しだいに恋するようになった。
11歳で身長が既に185センチだったジェームズは、12歳出190センチ、16歳のときには225センチになり、さらに延び続けていた。
ペギーの愛するジェームスは巨人症というあまり長生きできない病気に罹っていたのだった。
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相手のどこか変わったところが好き、というペギーの気持ちは良くわかります。
かっこいいところより、朴訥なところや要領の悪いところを見て、男性を好きになる女性は意外に多いんですよ。

2009.05.15 Fri
1995年9月20日発行   講談社  1400円

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近未来ディストピア小説です。
あっというまに読めるわりには内容があって面白かったです。
設定が、竹宮恵子の「地球へ」と似ています。
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11歳のジョーナスが生きているのは、何度もの戦争を体験した末に人間が考え出した「ユートピア」の筈だった。
そこでは誰もが苦悩することなく日々を暮らしていた。
子どもが12歳になると、それぞれに適した職業が与えられ、ジョーナスはコミュニティーの次代「記憶を受け継ぐ者」に決まった。
「記憶を受け継ぐ者」は、その名が示すとおりはコミュニティーで唯一過去の記憶を所有している人間だった。
「記憶を受け継ぐ者」から少しずつ記憶を伝えらたジョーナスは、スポイルされて生きている人間たちの生活に疑問を抱き始めた。

2009.05.06 Wed
2002年11月20日発行  早川書房  3400円

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ブッカー賞、ダシール・ハメット賞を受賞した作品ですが、正直なところ途中で飽きました。
物語が進展しないし、途中に挟まれいるSFまがいの部分も内容が散漫で嫌になりました。
SFは結構読んでいて好きですが、これは頂けないと思います。
最後まで読むと、どんでん返しがあってそういう話だったのかと思いますが、なにせ途中のどうでも良いような部分があまりにも長いんですよ。
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釦工場で財をなしたチェイス家は町一番の名家だったが、アイリスとローラのチェイス家の姉妹が10代になった頃には釦工場は倒産寸前だった。
アイリスは18歳で実業家のリチャード・グリフェンに嫁ぎ、父が亡くなると妹のローラもグリフェン家に引き取られた。
それから9年後、ローラは車で橋から転落し死亡した。
82歳になったアイリスは、ローラの死と、ローラが残した「昏き目の暗殺者」という小説について語り始めた。
2009.05.04 Mon
2008年5月29日発行  岩波書店 各2800円

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『またの名をグレイス』は、アトウッド作品の最高傑作として評価されている作品だそうです。

1843年にカナダで実際に起きた殺人事件を元にした小説です。
犯罪小説でもありますが、アトウッドが描きたかったのは貧しい移民女性の半生だと思います。
人生を選択することが出来なかった当時の女性の代表として、アトウッドは殺人犯グレイス・マークスの半生を描いたのではないかと思います。
グレイスを診察する精神科医サイモン・ジョーダン博士を三人称で描いた部分と、グレイスの独白の部分とが交差する技巧を凝らした作りで物語は進行していきます。
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家族と一緒にアイルランドからカナダへ移住してきたグレイス・マークスは、13歳で住み込みの女中の仕事に就いた。
殺人事件が起きたのは、グレイスの三箇所目の仕事先のキニア邸だった。
主人のトマス・キニアと女中頭ナンシー・モンゴメリーを殺害した罪により16歳のグレイス・マークスは逮捕され、終身刑が言い渡された。
若き精神科医サイモン・ジョーダン博士はグレイスの精神状態を調べるために、懲治監長の応接間でグレイスとの面談を重ねた。
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結構な暑さの上下巻ですが、冗長な感じはしませんでした。
重厚で読み応えのある小説でした。
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