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読書記録です。
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2010.06.21 Mon
七人の使者七人の使者
(1990/06)
ディーノ ブッツァーティ

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ディーノ・ブッツァーティー(1906~1972)はイタリアの作家。

カフカ的な作風の作家と言われているらしい――ということで、短編集の『七人の使者』を読んでみた。

『七人の使者』には、短い物語が16編収められている。
私が読んだ印象では、カフカと言うより『世にも奇妙な物語』だ。
「奇想の書」と呼ばれているような本はだいだい好みなのだが、『七人の使者』のなかのいくつの作品はとても後味が悪かった。

特に『Lで始まるもの』では、主人公の愚かさより、物事に対するブッツァーティーの認識の浅さが気になった。
ある疾病を人生の懲罰として描くというのは、どうなんだろうか。

私は、ジャーナリストや作家は常に弱者の視点を持つべきだと思っている。

『七人の使者』のなかには面白い発想の物語りもあったが、「面白から良し」とは思わない。

作家の視点の在りようを考えさせられた一冊だった。

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2010.06.12 Sat
通話 (EXLIBRIS)通話 (EXLIBRIS)
(2009/06)
ロベルト ボラーニョ

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南米の作家とはあまり相性が良くない。
南米出身の作家の小説を読んで、初めて好きだと思ったのが、この『通話』だ。
著者のロベルト・ボラーニョ(1953~2003)はチリ生まれの作家。
2003年に50歳で亡くなっている。小説家でもあり、詩人でもあったそうだ。

『通話』は短編集で、「通話」「刑事たち」「アン・ムーアの人生」という三つの項目に分類されている。
「通話」には日の目を見ることが無かった作家の物語が5篇、「刑事たち」は何らかの形で事件が絡んだ物語が5篇、「アン・ムーアの人生」には女性を描いた短編が4篇収められている。

どの物語も登場人物が少ない。
ほとんの短編が、語り手の目から見たたったひとりの相手の物語だ。
他の小説のような神の視点ではないため、語られている人間の言動の理由が明らかにされない場合が多い。
実生活で私たちが他の人間の全てを知りうることが無いように、ボラーニョの短編も、語り手が知っている範囲でだけ物語が語られる。
そのせいか、本を読んでいるのに誰かから直接話を聞いているような気持ちになった。

『通話』には、心を病んだ女性が何人か登場する。
「エンリケ・マルティン」のなかで、「詩人の人生には破滅と狂気と死が待ち構えている」と書いているボラーニョは、そういう女性たちのなかに詩人と同じような気質を見出し、そこに轢かれたのかもしれない。

「センシニ」
語り手の「僕」はメキシコからスペインにやって来た、20代の青年。
作家を目指している僕は、アルコイ市のスペイン文学賞に応募し三位に入賞した。
その同じ賞の二位には、アルゼンチンの作家ルイス・アントニオ・センシニの名前があった。
センシニの小説のファンだった僕は、センシニに手紙を送った。そこから、センシニと僕の文通が始まった。

「芋虫」
連日、学校をさぼっている「僕」は、メキシコ市内の映画館や公園沿いにある本屋で時間を潰していた。
書店の窓から見える公園のベンチには、いつも同じ男が座っていた。
ストローハットに白いシャツの男は「芋虫」に似ていた。
あるとき、芋虫が僕に声をかけて来た。
そのときから僕はベンチの芋虫の隣に座り、芋虫が語る故郷の村の話に耳を傾けるようになった。

「アン・ムーアの人生」
1948年生まれのアン・ムーアの半生を綴った作品。
アンが10歳のときに姉のボーイフレンドが起こした陰惨な事件が、その後のアンの人生に影響を及すことになった。

あとがきによると、語り手の「僕」は作家の分身的な存在なのだそうだ。
「ぼく」を含む短編の主人公たちは、出会った人々と束の間の関係を結び、離れていく。
誰かと共に人生を生きようとすると失敗に終わってしまう。
50歳で亡くなったポラーニョの人生の片鱗に、物語のなかで出会ったような気がする。
2010.06.07 Mon
運命の日 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)運命の日 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
(2008/08/22)
デニス・ルヘイン

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運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
(2008/08/22)
デニス・ルヘイン

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『シャッター・アイランド』を読んだときに、あまり良くなかったと感想を書いたら、『日記風雑読書きなぐり』のよっちゃんから、同じ著者の『運命の日』は傑作だとコメントを頂いた。
最初にめぐり合った本で作家に評価を下して、その後、印象の良くなかった作家の本は手に取らないことも多いので、良い作品があると教えて頂いて嬉しかった。

『シャッター・アイランド』がミステリィー小説だったので、『運命の日』もミステリィーだと思って読み始めたら、違った。
ボストンで1919年に実際に起きた警官のストライキを軸にした読み応えのある小説だった。勇気ある行動が次世代のための礎になるとわかる小説でもあった。

あとがきには、「1919年の市警のストライキと、それにともなう大暴動を扱った歴史物」と書かれていたが、私は「歴史物」だとは思わずに読んだ。
史実そのもよりも、人間が織り成すドラマに重きが置かれていると思った。

著者は警察官のダニーと黒人のルーサーを通して、父と息子、男と女、仲間との間に生じる軋轢や愛情を丹念に描いている。
ダニーと父の関係では、『エデンの東』の父と息子を思い出した。

小説の背景になったのは、アメリカでも社会情勢が非情に不安定な時代だった。
第一世界大戦の末期であり、1917年にロシア革命が起ったせいでアメリカでも左翼活動家が急増した。
さらにはスペイン風が猛威を振った。
ボストン市警に勤務するダニーは、そんな不安な社会状況の最前線に送り込まれる。
一方、オクラホマでギャングを殺害した黒人のルーサーはボストンにたどりつき、ダニーの実家の使用人になる。しかしダニーの名付け親で警部補のマッケンナに過去の罪を知られてしまう。

『運命の日』には、本筋とは別にベーブ・ルースが登場する章がいくつかある。
ベーブ・ルースの登場シーンには、穏やかさとノスタルジーが漂う。
緊迫したストーリーのなかにある色合いの異なるベーブ・ルースの章が,とっても好まく感じられた。

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