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読書記録です。
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2009.06.05 Fri
1997年12月5日発行   毎日新聞社  格1700円  
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1998年度「このミステリーがすごい!」の国内版1位になった作品です。

高村薫は初めて読みました。
数年前ですが、テレビで高村薫が話しているのを見たことがあります。
女性を感じさせない硬質な雰囲気の容姿と話し方がとても印象的で、きっと私なんかでは歯が立たないような硬くて難しい小説を書いているに違いないと、高村薫の著作には手が伸びませんでした。

そんな印象だったのに、よっちゃんのお勧めで読んでみたら、読んでいる間ずっとこの小説が終わらなければ良いのに、と思うぐらい面白かったです。
          **********************************
青森県の貧しい小作農家の三男として生を受けた物井清三は、昭和22年、八戸の鋳物工場を解雇されのをきっかけに上京した。上野界隈でリヤカーを引きながらバタ屋をし、一年後やっと旋盤工の職に就き、4歳の娘を抱えた芳江と結婚した。家を売り貯金をはたいて薬局を買い取ったのは、物井清三が50歳のときだった。
1990年、物井清三の妻は既に他界し、娘の美津子は秦野浩之という歯科医に嫁いでいた。
その年の10月、孫の秦野孝之が日の出ビールの二次面接を終えた数日後に交通事故死し、11月には歯科医の秦野浩之が息子の後を追うように自殺した。物井清三は警察に呼ばれ、岡村清二について警察から質問を受けた。
岡村清二というのは、養子に行った物井清三の実兄だった。
息子の孝之が事故死した後、浩之は日の出ビールに手紙とテープを送りつけていた。そのテープは、岡本清二が日の出ビール宛てに書いた手紙を吹き込んだものだった。若い頃、日の出ビールの研究所に勤務していた岡村清二が、知人の解雇は部落差別によるものでは無いかと訴えている内容のテープだった。
そのことがきっかけとなり、物井清三は興信所に依頼し、音信不通になっていた兄・岡村清二の行方を探し始めた。
1994年5月に岡村清二が秋川の特擁老人ホームにいると確認されて以来、物井清三は一日置きに見舞いに訪れていた。
三ヵ月後、いつものように老人ホームを訪れた物井清三は、6人部屋のベッドで死んでいる兄を発見した。
頭の中で悪鬼の声を聞いた物井は、日の出ビールから金を搾り取ることを思いつき、競馬仲間を誘った。
          **********************************
登場人物の背景と心理が詳細に描かれているクオリティーの高い厚みのある小説でした。

7人の男性の視点が入れ替わりながら物語が進行していきます。
職種の異なるその7人の男性のなかで、私は物井さんが一番好きです。
自己の苦悩のなかで彷徨っている他の登場人物と比べて、物井さんは常に自分以外の誰かを気遣っています。
物井さんが犯罪に手を染めたのも、単なる私憤からではなく、世の中の理不尽さに対する怒りからのように感じました。
その物井さんの怒りは、弱者に心を寄せる著者の怒りでもあると思いました。
「レディ・ジョーカー」というタイトにも、そんな著者のスタンスが現れてるのではないかと思います。

物井さんを中心とした犯人グループに肩入れしながら読んでいたので、大満足の結末でした。
よっちゃん
こんばんは。早速読まれましたね。
みのりさんは犯罪者側の人物について書かれています。私が企業側の人物に印象深い感じ方をしたの1997年には私の勤めていた会社が破綻始めた年でいろいろな困難が沸騰したときだったからです。
いずれにしても戦後という時代を色濃く背負った人物たちでした。勿論私も犯罪者側の過去の重さを実感できます。
奥田の書いた「オリンピックの身代金」も類似のテーマが含まれていました。そんなことでお勧めしました。
しかし、奥田の作品これと比較しますと高村の問題意識の深さが段違いであることがわかると思います。
2009.06.05 Fri 22:41 URL [ Edit ]
みのり
おはようございます。
『レディ・ジョーカー』良かったですw もう~、堪能しました。
そうだったんですか。
日之出ビールの重役のそれぞれの状況や心理が見事に描かれていましたよね。立場の違うそれぞれの人物を、こんなにも書き分けられるんだ、と著者の筆力に驚きました。
そうですね。
事物の捉え方が、本当に凄いですね。高村薫は読んでいこうと思います。
素敵な本を薦めてくださって、ありがとうございましたw
2009.06.06 Sat 08:22 URL [ Edit ]
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