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2009.11.02 Mon
2006年10月30日発行 藤原書房  2400円


『苦海浄土第二部』は「杢太郎の爺さまが死んだ」という短い文で、その幕を開ける。

爺さまは、重度の水俣病患者である杢太郎少年をいつも胡坐のなかにおいてあやしながら物語を聞かせた。
爺さまが語るのは、その地方で「ふゆじどん」と呼ばれていたホームレスの話だ。
家を持たないばかりか、自分のなかにさえ居場所を見つけられない「ふゆじどん」の心根のなかに人間の尊さを見出し暖かく見守る村人の物語を、爺さまは杢太郎少年にこんこんと語り聞かせていた。

水俣病患者を描写しながらも、石牟礼道子は詩情豊かに自然と人間を物語る。
困窮した状況に置かれている筈の水俣病患者からは、豊かで柔らかい人間性が伝わってくる。

水俣病患者が擁するこの豊かさは、どこから来るのだろう。
耐え難い困難さのなかで生きていることで、人間は諦観を持てるようになるのだろうか。
ほんの些細な日々の出来事を、大きな喜びとして受け止められるようになるのだろうか。

著者はあとがきのなかで、「受難の極にあるこの人々から手をのべられ、すくわれているのは、こちらのほうかもしれない」と、書いている。

一人ではけって到達できない人間の深部を、私も著者に導かれて覗き込んだような気がする。


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